人々は様々な共同体に属し、各共同体は様々な武力を有した。何故ならば統一国家が武力と検断(警察・裁判権)を独占する近代以前は自力救済が基本であり、各社会・生活共同体は自分達の生命と財産・権利を守る為に、独自の武力を持つ必要が在ったからである。
それは村の自警団の様な小さな物から、将軍が指揮する何万という軍団まで多岐にわたり、武力を有したのは決して武家だけでは無かったのである。
そして各集団は共同体内部の構成員を、あるいは別の集団を、自分達の武力として仕立て上げた。そこには多数の歩兵の姿が在った。
ここでは歩兵達が属した様々な集団が、どの様な武力を有し、どの様な種類・身分の兵士達を取り込んでいたのか探ってみたい。
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