キットの紹介



 イタリアはペガソモデル社製54mmスケールのメタルフィギュア。「安土桃山時代の大小を備えた礼服姿の侍」。デザインはVictor Konnov氏。

 設定としては安土桃山時代の肩衣姿の武士であろう。塗装見本の配色から言っても、おそらくは織田信長の肩衣姿の肖像画を参考にしたと思われる。
 それはそうとデザイナーのKonnov氏は大変素晴らしいデザインをされるのだが、この和物フィギュアも大変出来が良い。特に鎧や衣裳など、和物装備品のデザインがこなれて来ている様に思う。商品番号が、そのまま作品番号だとすると、新しい商品程出来が良い傾向にある。
 フィギュアの動きも自然で素晴らしいのだが(謎の二刀流風構えは良く分からないが)、プロポーションは良過ぎ。これは日本人の体型じゃ御座いません(笑)。足長過ぎ。頭小さ過ぎ。

 キット自体の出来も素晴らしく、きちんとバリをとってやるだけで、素組み出来る位、合いが良いです。下の写真は真鍮線を入れて仮組みしていますが、何もしなくても、この状態に出来ます。すげぇよ。


【追記】
(05.10.08)
 同封されていた解説書の様な物を読みますと、やはり織田信長の肩衣姿の肖像画を参考にした様です。
 この解説書には、フィギュアの歴史的背景と、塗装の為の各装備の色と素材について書かれています。解説を書いているのはMarco Giuliani氏という方で、肩衣の派生や紋についてなど、それなりにまとめられているのですが、結構おかしな所が在ります。まず履き物(草履か雪駄)は、暗色か黒色の革製サンダルとしているのが謎です。確かに雪駄は革底が付いているけれども。それと小袖の袖を小手と解説しているのも間違い。
 ってか、あの肖像画を参考にしていて、こういう造形や塗装見本にはならない気がするのだが・・・。何か参考にしている資料に間違いがありそうだ。
 それと未だに西洋人には「脇差は切腹用」という思いこみがあるんだな・・・という事が分かりました。むうぅ。


仮組

真鍮線で補強し、本体のみ墨入れをした状態。
キットには手を加えず素組のまま。



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